花粉症は、近年非常に患者さんが多くなっている病気です。症状は、目やに、目のかゆみ、涙がとまらない、
鼻水、鼻づまり、頭痛などですが、患者さんによりかなり幅があります。 花粉症は、主として杉やヒノキの花粉にアレルギー反応を起こして発症する病気ですが、 それ以外の雑草など、全ての花粉に対してアレルギーを起こす人もいて、そのような患者さんは、 ほぼ1年中症状が続くこともあります。 花粉症は、2つの原因が考えられます。一つは、戦後の杉の植林が、ちょうど今ごろになって 成長して花粉を最もよく飛ばす樹齢にさしかかって来たこと、もう一つは、主としてディーゼル エンジンの排気ガスによる鼻の粘膜の慢性的障害です。 いずれも、今すぐ根本的な対策は無理でしょうから、患者さんとしては、まず花粉を吸い込まない ようにすること、花粉の飛び始める時期は、ほぼ予想がつきますので、それ以前の1~2週間前から アレルギーを抑える薬を飲むこと、いざ症状が出現したら、点眼薬や点鼻薬を正しく使用すること に尽きましょう。 当院では、花粉症の原因検査として、特異的アレルゲンの血液検査を行っています。これは、一度に 16項目くらいまでのアレルゲン、すなわちアレルギーを起こす物質を血液で検査するもので、 症状のひどい人は是非一度は検査してみると良いでしょう。同様の検査を皮内反応で行っている 病院もありますが、信頼性が低いので血液検査をおすすめします。 治療は、前述のように、アレルギーを抑える薬を飲んだり、同様の作用のある、点眼や点鼻薬を使用 することですが、できれば症状の出る前からの治療をおすすめします。 |
|