高血圧症治療の目的は合併症の予防です。
高血圧だからといって、すぐに体への影響が生じるわけではありません。 しかし、治療しないで放っておくと脳や心臓、腎臓など大切な臓器や 眼などに影響を及ぼし、時には脳卒中や心不全、腎不全などの重大な 病気を引きおこすことがあります。高血圧症治療の目的はこれらの 合併症を予防することが大きな目的です。

高血圧治療の基本は、生活習慣の改善です。
WHO(世界保健機構)の分類によると、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg、 最低血圧(拡張期血圧)が90mmHgを超えると高血圧とみなされます。 高血圧症治療の基本は生活習慣の改善です。 血圧の値がこれらを超えている人は体重減量、食塩制限、運動、節酒、禁煙を 実施してください。しかし、これらの生活習慣の改善を行っても血圧の低下が 不十分な場合、薬による治療を行います。
血圧は数週間から数ヶ月かけてゆっくり下げましょう。
高血圧は、ある日突然かかる病気ではありません。 何年もの長い時間をかけて、徐々に進行し、血圧が 高くなっていきます。ですから、高血圧治療を受けていない患者さんの体は高い血圧に慣れているのです。 血圧が高いからといって急に血圧を下げると、高い血圧に慣れている脳や心臓、腎臓などの 臓器は急には対応できず、めまいや立ちくらみなどの思わぬ症状がでることがあります。 血圧は目標とする値まで、年齢や症状に合わせて数週間から、長い場合数ヶ月かけて、 急がずゆっくり下げて、それを維持することが大切なのです。
服薬は必ず主治医の指示を守りましょう。
薬を飲んでいる患者さんは、すぐに血圧が下がらなくても心配する必要はありません。 むしろ、血圧がさがったからといって自分の判断で勝手に薬を飲むのをやめたり減らしたり すること方が問題です。服薬は、必ず主治医の指示を守ってください。