日本人は、糖尿病になりやすい人種です。
 現在、非常な勢いで増えつつあるのが、糖尿病の患者さんです。 糖尿病とは、単に尿に糖が出る病気と言うわけではありません。 すい臓のランゲルハンス氏細胞という インスリン(血糖を下げる)ホルモンを出す細胞がだめになって発症する病気ですが、血糖値が高いため、 つまり、血液中のブドウ糖が多すぎるため、全身の血管がぼろぼろになり、放置すれば各種の血管の合併症、 脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、眼底出血などを生じ、最終的には腎不全で死亡する病気です。わかりやすく 言うならば、高血糖による全身の血管ぼろぼろ病です。
 多くの患者さんが、健康診断等で発見されていますが、当院では、他の病気の際、初診時に行う尿検査など でも発見されています。
 初診時に、まず行うのは血液検査ですが、その後も毎月あるいは、病状によっては2週間ごとに血液検査が 必要になってきます。これは、病気の性格から,尿検査はあまり病状の判定に意味がなく、血液検査で 常時血糖が200以下、また、1ヶ月間の血糖値の平均を表すHbA1Cの検査が,少なくとも7ないしは 8程度以下でなければ、合併症を防止できないからです。
 糖尿病も、高血圧症や、高脂血症と同じく、遺伝的なものがほとんどと考えられており、治療もやはり、 食事療法だけで十分な患者さんは極めて少なく、血糖を下げる薬や、逆に血糖を上昇させにくくする薬を 飲む必要がある患者さんがほとんどで、あるいは病状が進めば、インスリンホルモンの注射も必要な場合が あります。
 これらの治療法の組み合わせには、ノウハウがあり、ここでは詳しく教えられませんが、すべての 糖尿病患者さんの治療目標は、十分に血糖を低い状態に保って、将来の血管合併症を完全に予防することです。 また、糖尿病患者さんの特徴として、高血圧症や、高脂血症の合併が多く、それらの治療を平行して行っていく 場合が多いことがあげられます。これは高血糖による、血管ぼろぼろ状態が続くと、血管の弾力性が低下して、 高血圧症を発症しやすくなったり、糖尿病患者さんでは、脂肪の代謝経路が正常の人とは異なる状態と なっていて、血液中の特に中性脂肪が、多くなりやすくなっていることがあげられています。


以上の内容は、一般的診療について述べたもので、個々の患者さんに
全ての内容が当てはまるとは限りません。
当院では、それぞれの患者さんに合わせた、検査や治療を行っております。