|
|
|
本当は、この項は最初に書きたくなかったところです。しかしながら、避けて通れない問題であり、
決定的な意味を持つ重要なポイントですから、最初に取り上げます。
オーディオルームの選定は、オーディオの選定と同じくらい重要です。オーディオルームは、 スピーカーの延長あるいは一部と考えるべきです。
なぜならば、オーディオ趣味は、オーディオ
ルームに好みのサウンドを充満させるのが目的の趣味であるからです。オーディオのすべては、 オーディオルームのためにあるといえましょう。本来は、家の新築時に、きちんとした設計の下
に専用のオーディオルームを建築するのが理想的ですが、そうもいかないことも多いでしょう 。私の現行のオーディオルームも、最初はオーディオ専用としては設計されていませんでした。
|
|
オーケストラ音楽の大音量再生に必要なオーディオルームの第一の条件は、最低12帖以上の
部屋です。これは、残念ながら10畳以下の部屋では耳障りな定在波ができてしまい、吸音材等を 使っても完全にコントロールできないからです。はっきり言えることは、部屋は大きければ
大きいほど良いということです。これは、理論上証明されています。定在波は、部屋が大きく なるほど低い周波数のものとなり、だんだん聞こえない領域に移行するからです。
定在波は、直方体あるいは立方体の部屋では必ず生じます。定在波を生じない部屋を造り たければ、互いに平行な壁を作らないことです。多くのスタジオなどでそのような設計が
なされています。ここで、それよりも実際上重要なことは、無響室のような吸音材を使用した 部屋や、吸音性の壁を持つ部屋を造らないことです。オーディオルームは、ホールに比べれば
小さい部屋です。できるだけ良い響きを得るために、吸音材は"角をためて牛を殺す"ごとくと 心得るべきであり、できるだけ避けるべきです。これらについては、以下のオーディオルーム
のセッティングの項でも述べます。
|
当然の条件として、床はフローリングか、御影石や大理石等の硬質材とするべきで、畳(和室)
はだめです。和室は、すべての要素でオーディオルームとしては最低です。残念ながら、 救いようがありません。カーペットは、だめではありません。鉄筋コンクリート造りの
部屋の場合は、音のエネルギーが漏れるところがないので、ある程度吸音が必要なことが多く、 必需品かもしれません。
|
天井は、できるだけ高いほうが望ましいと言えます。残念ながら、日本の多くの住宅は天井
高が低いことが多く、ちなみに私のオーディオルームも2.6メートルと決して高いとは 言えません。天井が低いと、これまた定在波が発生しやすく、良いことはありません。
理想的な天井高は、4メートルくらいと思われます。 オーディオ機器のセッティングにあたるオーディオルームの使用法やレイアウト法、
細かい注意点などは、最後のオーディオルームのセッティングの項で述べます。 それ以外の事柄は、以下の内容のなかで述べていきたいと思います。
|
|
|
|
|