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初感染は、1〜4才に多い病気です。性差はありません。99%以上が、不顕性感染
(1%未満に口内炎・陰門膣炎・疱疹性湿疹・角結膜炎・髄膜脳炎)です。 発疹は、口唇口腔内に認められます。ウィルスは、唾液・皮疹・尿・糞便より分離されます。
口内炎は、最も普通にみられ、全経過5〜7日(軽症)、10〜14日(重症)。
HSV−1による幼児の初感染は、ほとんどが不顕性感染ですが、歯肉口内炎として、 顕性化する時があります(成人での初感染も抗体保有率低下により増加しています。
HSV−1の抗体陽性者の1〜10%)。
ヘルペス脳炎のほとんどが、HSV−1によりおこります。初感染性器ヘルペスは、 HSV−1、HSV−2のいずれでも起こりますが(HSV−1が70%)、
再発性性器ヘルペスは、ほとんどがHSV−2で、HSV−1はまれです。 HSV−2は、腰仙骨神経節に潜伏感染し、性器を中心として回帰発症します。
疱疹状湿疹は、アトピー性皮膚炎や慢性湿疹のある皮膚状に出現、顔面次いで 頸部・体幹・上肢に好発→高熱・頭痛を伴って急発症→死亡率10%。
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80%が幼稚園〜小学校の児童。4〜5才までの幼児が、特にアトピー性皮膚炎の傾向
のある子供や水泳をして皮脂が減少して乾燥肌を有する子供に多い病気です(成人はまれ)。
躯幹・四肢、とくに間擦部に好発します。新しい発疹は、水疱様にみえ、典型的なものでは、 普通2〜5mmドーム状柔軟な腫瘍で中心にくぼみを有し、蝋様光沢を呈します。
炎症症状はありません。一度消失しても再発しやすいのが特徴ですが、自然治癒傾向もつよく、 無治療でも6〜9ヶ月で治癒することもあり、通常2ヶ月、長いもので6ヶ月〜3年→平均6.5ヶ月。
個診に発赤が生じると治癒し、中心に黒色か皮を生じて消退します。数が少ないうちに 治療すると良いものです。
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1〜3日後に、他側が腫張(1〜3日でピーク、3〜7日で消退)。30〜40%は不顕性。
95%以上は15歳未満で、40%は5〜9才が占めます。感染源は患者の唾液。伝染力は強く麻疹に近い(家族内未り患同居者は、ほぼ100%だが、近所で流行していても直接の接触がなければ40%位となる)。母子免疫は、生後10ヶ月位までは有効で、生後6〜8ヶ月の乳幼児は非常にまれです。2〜9才が好発年齢で3〜4才がピーク。年長児ほど症状が強いです。
数日で38℃前後の発熱は解熱します。主要症状は1週間以内に消退することが多いようです。
難聴は年長児に出現しやすく、感音性難聴で片側性であるため発見が遅れやすいものです(一過性4.4%、永久0.005%)。
精巣卵巣炎は、成人症例に多く合併し、通常一側性(75%)で不娠となることは少ないものです。精巣炎は、そのほとんどが11〜40才で、思春期以降の成人の25%に合併し、20%が両側性→耳下腺炎が消退し、平熱となった第6〜10病日頃に発症し、1〜2週間で消退するが30〜50%の症例で精巣萎縮をきたします。卵巣炎は思春期以降の成人で5%に合併します。
腹痛例(とくに上腹部痛)の多くは膵炎を合併。
無菌性髄膜炎が、1〜10%にみられますが、高熱の持続や長期の発熱がある場合は精巣炎や髄膜脳炎を合併している率が高いようです。脳炎の合併は0.017〜0.25%(脳炎の1.4%が死亡)。
以上のように合併症が多いため、予めワクチンを接種しておくのがよい病気です。季節的には6月がピーク。
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春〜夏に多い。高熱とともに急発症。腹痛を伴うこともあります。軟口蓋〜口蓋弓にかけて、数個の小水疱形成を特徴とします。2〜3日で潰瘍状からアフタ性へと変化します。扁桃・頬粘膜にヘルペス様の発疹(HSVと異なり歯肉にはできません)が出現することがあります。 |
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好発年齢は6〜24ヶ月の幼児(70%)。6ヶ月以下は4%のみ→新生児期のロタウィルス感染症は、不顕性に経過することが多いようです。性差なし。
定例型では、嘔吐から始まり下痢を続発するものが多い病気です。年長児では下痢を伴わないことが多いですが、嘔吐は年長児ほど出現しやすいようです。下痢は90%(0〜2歳児では100%:回数は5回以下が61%)・嘔吐は63%(82%は回数が1〜2回)・発熱は40%(75%は38℃以上)・白色便は30%にみられます。症状の組み合わせとしては、嘔吐・下痢が60%と一番多い。
原因ウイルスであるロタウィルスは、ウィルス性下痢症の約50%を占めます(ウィルス性下痢症の流行最盛期には80%以上となることがあります)。12月〜3月に流行します。夏季にはロタウィルスの感染はまれです。
Norwwalk下痢症は、ロタウィルスより軽症で症状の持続も短いです。
アデノウィルスでも白色便をみとめることがあります。
ロタウィルスには数種類があります。ロタウィルスの標的年齢層は、A群の場合、年長の小児から成人であり、C群などでは乳児嘔吐下痢症は起こさないと考えられています。
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全経過は通常約1週間です。結膜炎より咽頭炎や発熱の症状が強いです。3主徴のうちいずれかの症状を欠く不完全型があります。
結膜症状(急性ろ胞性結膜炎)は、流行性角結膜炎(EKC)より、局所症状は軽いが全身症状が強く、39〜40℃前後の高熱が3〜4(〜7)日間持続します。朝はやや低く、夕方に上昇します。結膜炎は1〜2週間で治療し予後良好。点状角膜炎は起こさない→起こしたとしても角膜の点状上皮混濁はごく軽度です。
小中学校の年齢層に好発します。夏季に流行します。プールに入ってから3〜4日後の発病が多い病気です。
結膜炎治療後も約1ヶ月は糞便中にウィルス排泄(+)。 |